第8章 オオカミ王子 ♥︎ 〜月島蛍〜
『ぁっ…ん、蛍くん…なら、怖くないよ』
喘ぎ声の中でそんなことを言ってくるものだから、僕はついつい、意地悪く答えてしまった。
「ーなら、もっと酷くしてあげるね」
ぐ、と自分をねじ込んで、揺さぶる。
ぎゅぅぎゅぅと締め付けられて、意識が飛びそうになる。
腰が溶けそうなほどの甘い感覚に、思わず心をきつく抱き締めた。
「っ……心…、すき…」
僕の息が耳に当たったのか、心の体がびくん、と跳ねた。
『…蛍、くん…ずるぃ…!!』
心の体がひくひくと痙攣して、一瞬。
僕をきつく柔らかく締め付けた。
「……もしかして、いった…?」
『…も、けいくんの、ばか…!!』
半分泣き顔で僕を睨む姿に、ぞくりと背筋を欲望が駆け抜ける。
「馬鹿は、どっち…!!」
乱暴に奥ばかり突き立てて、あぁもう僕らしくない。
でも、きもちいい。
…あれ…そういえば……?