第7章 今日は彼女の誕生日 ♥︎ 〜黒尾鉄朗〜
ずるり、とクロのモノが抜かれて、体はどっと疲れを増す。
何も出来ずにぼーっとしている間に、後始末はクロが全部してくれて、私の体は綺麗になっていた。
「あー…その、大丈夫か?」
『大丈夫じゃない、クロのばか、えっち』
本当はすごく気持ちよかった、なんて。
恥ずかしくって言えない。
「そーかよ…」
そっぽを向いた私の頭を撫でるクロの手は、凄く優しくて。
つい、背けていた顔を戻してクロの目を見つめてしまう。
「…うん?」
あんまりにも優しい顔で私のことを見ていたから、つい。
『クロ…ありがとね。……愛してる』
そんなことを口走ってしまった。
クロは一瞬、きょとんと目を丸くしてから、いつものようにニッと笑って、俺もだよと言ってくれた。
「…あのさ、心」
『ん?』
突然クロが真剣な表情になるものだから、私まで緊張してしまう。
「これ」
そう言ってクロが差し出してきたのは、薄い水色のリボンがかけられた、白い小さな箱。
『…これ…?』
私がクロを見ると、ニヤリと笑って、その箱を開いた。
中には、2つのサイズの違う指輪。
「誕生日、おめでとう…心」
「っ…クロ、大好き…!!!」
ぎゅぅと抱き締めれば、抱き返してくれるその腕。
今日くらいはもう少し甘えていても、いいよね?
〜fin〜
→あとがき