• テキストサイズ

Love Delusion…

第3章 ロールキャベツ男子 ♥︎ 〜菅原孝支〜




『菅原先輩!』


放課後の渡り廊下で、俺を呼ぶ声がしたかと思うと腰あたりに、ぽすんと衝撃が走る。

後ろから抱きしめられてる。

見下ろせば、焦げ茶のツインテール。

見上げてくる彼女は、同じ委員会の後輩。
結木 心。

耳の上で跳ねるツインテールがうさぎみたいで、俺としては可愛く思っている。

『菅原先輩!こんにちは!!!』

元気すぎる挨拶に、腰に回された腕。

「結木…、急に抱きつくなって言ったべ?」

困ったように笑ってみせれば、結木はするりと腕を解いた。
心なしか、ツインテールが下向きになった気が…。
本当に耳か?それは?

『だってだって!菅原先輩が悪いんですよ、いい匂いだから…!』

意味不明なことを言いつつ、再度。
今度は後ろからじゃなく真正面から抱きつかれる。

「男にいい匂いとかおかしいだろ…」

理性を保つのがやっとで、ちゃんと笑えたかもわからない。ひょっとしたら変な顔してたかも。

可愛い可愛い、俺の後輩。
俺にだけ懐いてくれたら…なんて、無理だろうけど。

それでも俺は淡い期待を抱いている。

結木が好きだから。

『おかしくないでーす!菅原先輩は、菅原先輩なので!』

「意味わかんないよ…?」

今日も彼女は独特の自論を発揮してくれる。
いや、可愛いからいいんだけどね?

あんまり可愛いと、その。
俺の理性が持たなくなるから、やめて欲しいなー、なんて。

ワガママ。

『菅原先輩は分かんなくていいんですよ〜♪
私だけが知ってるんです!』

あぁもう、そうやって。
結木は簡単に俺の心を揺さぶるんだから。

/ 222ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp