第18章 Graduation… ♥︎ 〜大将優〜
『私に最後の思い出をください』
そう伝えると、大将くんは少し考えてから、小さく頷いた。
「…何、して欲しい?」
『……私の事、抱いて…』
こんな事を言うのは、はしたないことだと思う。
だけど、私の初めては…彼がよかった。
後悔なんて、もう…したくない。
『無茶苦茶言ってるのは…分かってる。英愛のこともあるし…。でも……』
「……分かった」
大将くんはそれだけ言うと、私の手をとって歩き出した。
『ど、どこ行くの…?』
「鍵のかかるところ」
少しして連れてこられたのは男バレの更衣室だった。
内側から鍵がかけられるようになっていて、そうそう人も来ないらしい。
『…ごめんね』
「1回」
『え…?』
「この1回の間だけ…結木は、俺の恋人」
一瞬何を言われているのか全く分からなかった。
途端に、大将くんに床へと押し倒される。
「…初めて?」
『……うん』
「…そっか」
気持ちとは裏腹に、どんどん強ばっていく体。
心なしか震えている気もする。
…自分で決めたことのくせに…情けない。