第17章 笑う門には何とやら… 〜赤葦京治〜
あぁ好きだなぁって、素直に思った。
なかなか笑わない赤葦だからこそ、ふと笑ったりすることがとてもレアなものに思える。
赤葦が笑うだけで、私は幸せ。
うん、今日練習来たかいがあった。
「何考えてるんです?」
『なーんにも!』
にやにやしてしまう顔を両手で押さえつけながら、部員たちのスコアを書き留めていく。
『赤葦』
「はい?」
『…あのうるさいミミズク黙らせたら、明日のお昼ご飯に菜の花のからし和え…作ってきてあげる』
「……頑張ります」
食べ物で釣るのはダメだろうけど、そうでもしないと木兎は黙らないし、まぁ赤葦がやる気に満ちた目で木兎の方に歩いていったから、オールオッケーかな。