第14章 アップルパイよりも甘く ♥︎ 〜孤爪研磨〜
はじめは、研磨くんの動きに合わせて、粘膜を擦られる痛みが伴った。
たぶん、少し出血してると思う。
そこが、酷く熱い。
「ごめん、結木…やめてあげられない」
泣きそうな、気持ちよさそうな表情をした研磨くんが、あたしに縋りながら謝ってくる。
『ううん、へいき…!』
少しだけの嘘。
本当は痛い。けど、やめて欲しくないから。
「結木も、気持ちくなれるように…がんばる」
そう言われるのと同時に、奪われる唇。
研磨くんは…キスが上手みたい。
研磨くんのとろとろに熱く溶けた舌が、痛みなんて忘れさせるくらいにあたしを弄ぶ。
揺れる身体が、だんだんと快感を引き連れてくる。
繋がる唇から洩れ出す嬌声。
『んっ、研磨くん…ッ、なんか…きちゃぅ…!』
「なに…?イきそ、なの…?」
いく?なにそれ、分かんない。
頭がくらくらする。
なに、気持ちいい…ぞくぞくする。
「そっ、か…わかんないか…。からだ、きゅぅんってして…限界、って…おもっ、たら……イく、って、こと…ッ!」
たどたどしく、研磨くんが伝えてくれる。
その表情からして、きっと、研磨くんもその…いきそう、なんだなって思う。