第12章 好きの裏返し ♥︎ 〜木葉秋紀〜
急にスカートの中に忍び込んできた彼の手。
少し冷たいその手は、私の下着の隙間なんていとも簡単にすり抜けて、私のぐしゃぐしゃになったそこに触れる。
「…やば…」
木葉が息をのんだのがわかる。
と、その時。
ガチャガチャッ…!!
屋上のドアノブが乱暴に動かされ、けたたましい音をあげた。
「あれ、閉まってる」
「え〜、何でかな〜」
ドアの向こうで女子生徒の声がする。
『木葉…ッ、見つかったら、やばいよ…!!』
「んー…大丈夫だろ」
そう言って木葉は、私への愛撫をやめてくれない。
少しずつ昇りつめさせられては、動きを止められる。
『ッ…もう、ばか…!』
「欲しいなら欲しいって、言えばいいだろ…?」
そう、意地悪く笑う顔は、いつも教室でバカ騒ぎしてる時とは少し違った。
赤い顔に、艶かしい視線。
何より、熱い吐息がすぐそばにある。
それがなんだかとても嬉しくて、恥ずかしくて。
だけど、意地悪な表情だけはいつもと同じで…。
それが、私の思考能力を低下させてたんだと思う。
『…も、はやくして…』
女子生徒たちのことなんて忘れて、そんなことを口走ってしまった。