第11章 私流コーディネート ♥︎ 〜瀬見英太〜
目覚ましがけたたましく鳴り響いて、起きる時間になったことを知らせる。
まだハッキリしない頭で今日が約束の日だと認識してから身体を起こした。
『んぅ……』
よし、と息を整えて、用意していた洋服に手をかける。
お気に入りの紺のワンピース。
裾にさり気なくレースの刺繍が入ってるところが好き。
鏡に向かって、軽く笑顔を作ってから、ほんのりお化粧。
…せっかくのお出かけだから、少しくらいおめかししないと。
そんなことを考えてるあたり、私もちゃんと女の子だね、うん。
急いで準備をしていたつもりだったけど、ふと携帯を見ると約束の30分前。
『やっば…!』
私の家から駅までは40分くらい。
『急がなきゃ』