第10章 バカに効く薬 ♥︎ 〜花巻貴大〜
『おねが、…もぅ、許してよぉ…』
火照った身体がもどかしくて、苦しくて。
ぎゅぅとキツく目を閉じる。
「なに、もうギブ?」
まだ1回、いくの我慢しただけでしょ。
花巻くんの声が少し遠くに聞こえた気がして、慌てて目を開けて彼を探す。
「あと、10回…いくの我慢したら、すごくいいご褒美、やるよ」
そう言って彼は、さっきまでバイブが当てられていたせいで、嫌というほど敏感になった私のそこに、舌を這わせた。
『ひっ……やぁ、ッあぁ…!!』
ゆるく、だけど確実な快感が背骨から突き抜けて、力が抜けていく。
『じゅっ…かぃ、なんて…むりぃ……!』
「だめ、我慢」
私の声をまるで無視して、そのまま愛撫を続けられる。
後、少し。
そうなる度に愛撫を止められ、カウントを進められる。
「心、これは…命令だから」
耳たぶを甘噛みされて、身体が芯からぞくぞくする。
『むり、むり…!』
「大丈夫だって、きもちーだけだから」
こんな時まで、私の大好きな笑顔を見せてくる花巻くんは、すごくずるいと思う。