第2章 3人の船長
「……」
ーー何が起こったの?
麦わら帽子を被った男の子が来て、天竜人を殴って、麦わら帽子の男の子の仲間のような人たちとオークションハウスの人たちが戦い始めて……わたし、夢でも見てるのかな……?
「おい」
ただ、呆然とオークションハウスで起こっている出来事を見ているだけだったわたしは同じ奴隷の男の人に声をかけられた。
「お前はどうする?」
「え?」
「今が逃げられるチャンスだと思わないか?」
男の人は拳を握りしめて、希望に満ちた眼差しで戦いを見ている。
「鍵を奪って、この首輪を取るんだよ! そしたら、晴れておれらは自由の身だ!」
「……」
『自由』
「……逃げましょう」
ーー自由になれるなら……。
「よし! おい、お前ら! 鍵を奪って、自由になるぞー!」
「おー!」
わたしたちは天竜人のSPを陰から襲い鍵を奪った。そして、全員の首輪を取って脱出を図った。しかし……。
「クソッ! どうやって出る?」
「正面玄関の入り口は海賊と海兵がいる。裏口は鍵がかかって出られないし、海兵もいる」
「どうする? 八方ふさがりじゃないか」
わたしたちは天竜人がオークションをしていた間、裏の奴隷たちがいる場所に閉じ込められていた。ここから出る手段は……今のところ見当たらない。
みんな、悔しそうにしている。せっかく、ここまで来たのに……地獄を乗り越えて、やっと自由を手に入れることができるかもしれないのに……。