第7章 部屋とYシャツと私
「ありがとうございました」
「お礼を言うのはこっちだ。ありがとな」
青い空を見上げると、白い洗濯物が見える。青と白のコントラストがとても綺麗だ。
ヒートさんとワイヤーさんと3人で、船の甲板に洗濯物を干した。
「ふー、ナルがいたから嫌だった洗濯が楽しく感じたな〜」
「そんな……」
2人はわたしを見て、楽しそうに笑っている。
「……ありがとうございます」
わたしも釣られて笑顔になる。今日の洗濯が“仕事”とは思えなかった。自分から皆さんの役に立ちたいと思ってやったことだから。
「さァて、もうそろそろお昼の時間だな」
「はい」
「食堂に行くか。今日のご飯は何だろうな」
わたしたちは食堂に移動しようとした。その時……。
「お前ら……」
後ろから低い声が聞こえて振り返る。
「頭!」
そこには、キッドさんが立っていた。いつもよりも、雰囲気が少し怖い気がする。
「……ナルに……洗濯をやらせたのか?」
「……」
ヒートさんとワイヤーさんは固まっている。
「……お前らー!」
「頭ー! すみませーん!」
キッドさんは2人を追いかけ始めた。ヒートさんとワイヤーさんは全速力で逃げる。