第4章 普通の生き方とは
彼らが出て行ったその日の夜、お店の手伝いをしながら、わたしは窓の外を見た。
「……」
(みんな……大丈夫なんだろうか……)
ーー天竜人に怪我をさせたということは海軍大将が動いている可能性がある。その中で、生きて逃げ延びることができるかどうか……。ーー麦わらの一味。強いとは聞いているが……果たして3日もの間、大将から逃げ延びれるか……。
「おい、そう言えば聞いたか?」
「何だ?」
お店の中にいた賞金稼ぎが話をしていた。
「あの麦わらの一味が王下七武海のバーソロニュー・くまに倒されたって噂」
ガシャーン!
「うわ!?」
「びっくりした!?」
「し、失礼致しました」
片付けようとしていたグラスが手から滑り落ち、床に叩きつけられた。
「あらあら、大丈夫?」
後ろからシャッキーさんも来てくれた。
「も、申し訳ございません」
深く頭を下げて、目を瞑る。ーー殴られる……と思った。
「怪我はない?」
シャッキーさんはわたしを殴ることも蹴ることもせず、ガラスの破片を拾っている。
「は、はい……」
頭を上げて、急いでシャッキーさんの手伝いをする。
「……少し……休みましょうか」
賞金稼ぎたちに聞こえない小さな声でシャッキーさんはわたしに言った。