第6章 【甘】first love/財前光
好きだと自覚してから、ますます交換日記が渡しずらくなって、気が付けば6月も残すところあと数日。7月になるってことは、遥香ちゃんの実習が終わるってことで、多分実習が終わったら、もう会えんようになるんやろうな。告白なんかした所で、大学生が中学生なんか相手にするか?ありえんやろ。言わなくても結果は分かってる。それなら言う必要なんかないやろ。
初恋は実らない、そーいうもんなんやろ?なら、そういうもんやと思って諦めたらええだけの話や。
「財前君!結局あれから交換日記渡してくれんかったな。」
「あー、やっぱ、ああいうの無理っすわ。キモイっすわ。」
鞄から交換日記を取り出し、遥香ちゃんに渡した。
「まあ、今日で最後やし、キモイけどちゃんと書いたから。」
「私返事書いても、もう交換日記持ってこれんから、ここで返事書いて交換日記終わりにしよか?」
「別に返事なんかいらんすけど。」
「遠慮せんと、折角交換日記やってきた仲や、一緒に終わらそう。」
そう言って交換日記を開いた。