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【WJ】短編

第38章 【甘】プレゼントは私/影山飛雄


 飛雄にそこまで言われちゃ、ノーなんて言える訳もなく、そのまま飛雄と共に飛雄の家に帰った。薬局に寄って例の物を購入しようと思ってたのに、飛雄に準備してありますなんて言われ、私は頬を赤らめた。そしていざ飛雄の部屋に乗り込んだ。心臓は爆発寸前。飛雄はいつもと変わりない。適当に座ってて下さいと言われ、飛雄は部屋を出て行った。こういう時は服を脱いでた方がいいのだろうか。初めてだから分かんない!助けて及川さん!こんなことになるなら、及川さんの話をちゃんと聞いとくべきだった!と、取り敢えずブレザーだけ脱いどこう。昔、花巻さんが脱がせるのも御賞味の一つとか言ってたし。
 ドキドキしながら飛雄の帰りを待った。暫くすると飲み物とお菓子を持ってきた飛雄がDVDをつけた。そして流れ始めたのは、県外の強豪校、春高への出場が決まっている高校のバレーの試合。


「これ、昨日貰ったんすけど、どうせ見るなら逢崎さんと一緒がいいかなと思って。今年は烏野が全国行きますけど、青城だって来年はそのつもりだろうし。」
「なんだ…そういう事…。」


 そりゃあそうだ。私の彼氏は超バレー馬鹿の飛雄。そんな如何わしい事なんて考えてる訳が無い。


「俺の誕生日だから時間をくれるって事っすよね?まだ他にも沢山あるんで全部見ましょう。」


 一人、飛雄と如何わしい事をするとドキドキしていた自分が実に馬鹿らしい。


「…穴があったら入りたい。」
「寒いですか?暖房つけたんすけど、布団入ります?」
「飛雄が飛雄で良かったよ、本当。」


 その言葉に飛雄は首を傾げた。私達の関係が進むのはまだまだ先になりそうだ。


「飛雄、お誕生日おめでとう。」
「あざっす。」


 取り敢えず次及川さんに会ったら殴らせてもらおう。



             …ℯꫛᎴ


2016/12/22 Happy Birthday
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