【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第6章 過去の真実、青い棘
僕の兄さんはね、素晴らしい人だったんだ。
誰にも負けず劣らず、媚びず、強くあろうとした。
みんなからの信頼も厚く、彼自身も期待に応えようと必死だったのだろう。
だからこそ失敗した。強くあろうとしたのが仇となったのだ。
悪魔に、堕ちた。
兄さんは多分、逃げたかったのだろう。
永遠に尽きないプレッシャーから。
皆は泣いた。当然だ。大事な人と永遠の別れだよ?悲しいに決まっているじゃないか。
おそ松兄さんがいない世界から歳月のたった、皆、おそ松兄さんがいない世界に慣れ少しずつ、でも確実に、いつもの日常に戻っていった。
だけど僕はただの弱い天使だったのだろう。
僕より弱かった悪魔を利用して、自ら兄さんのあとを追った。