【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第1章 出来損ないの、シスターさん
朝の5時。シスター達は皆起きてミサの準備を始めていると言うのに。
寝坊助な弟はまだベッドの中で夢の中。
全く、困った弟だ。
シスター達の目を盗んで、こっそり一松の自室へ向かう。
1人のシスターをえこひいきしては、他のシスター達が嫉妬するからな。
……なんて。
1人ジョークはこのくらいにして、そろそろ愛らしい眠り姫を起こすとするか。
部屋の扉をゆっくりあける。
ゆっくり開けたにも関わらずカチャリとノブの金属音がするが一松は相変わらず起きないようだ。
「一松、朝だぞー」
身体を揺さぶっても起きない。
「んにゃ…からまつ神父……」
頬を軽くつつくと、柔らかい声が出た。
本当は起きているんだか、ただの寝言なのか。
出来れば後者の方が嬉しい。そうだとすると、指先だけで一松は俺だと分かっていると言うことだから。