【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第4章 僕に兄など、おりません
最近、一松の様子がおかしいのだ。
いや、一松は元から少々変わっている奴だったが。
なんと言うか…まるで、“見えない誰か”と話している様だった。
悪魔が憑いていると疑い一松の悪魔を確かめて見たが、“アイツ以外”悪魔はいなかった。
悪魔ではないのなら…なんだ?
ただの病気か?
あと、幻覚症状の他にも、一松は夜更かしを止めた。
一松は眠るのが大嫌いで、夜中はいつも部屋で月明かりとろうそく一つで本を読み耽っていた。
おかげでミサの間にいつの間にかうとうとしていたり、仕事中倒れることもしばしばあった。
それがなんだ。最近の一松は夜を楽しみにしているのだ。寝たいがために仕事を毎日早く終わらせ、シスターの中でも一番先に眠っている。
それは、俺にとっては嬉しいこと極まりないのだが、なんか、こう…
────一松が、一松じゃないような……
一松は、本当に一松なのだろうか。