【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第7章 最初で最後の、贈り物
とりあえず、行く宛のない僕らは、森へ向かうことにした。
理由などない。とにかく一目のつかない場所まで…
「ふぅ…」
肩を貸す、と言ったものの、予想以上におそ松の体調は悪いらしく、途中から俺がおそ松をおぶってから柔らかい草辺へ寝かせた。
「いやぁ…一松を守れて良かった…」
「あまり喋らないで…傷、治療するからさ」
…急所は外れているみたいだ。
森だったら、痛み止めや、薬草代わりになる植物が沢山あるはずだ。
それに僕は昔、悪魔祓いの勉強に、薬草のことも少し勉強していた。
結局エクソシストにはならなかったのに、こんなことに役立つなんて…
…ってあれ?
血を止めるユキノシタの葉も、痛み止めのオオバコもない。
もしも、適当な葉を擦り付けて、もしそれが毒草だったら…
どうしよう。