【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第7章 最初で最後の、贈り物
「都合の良いときだけっ…兄貴ぶるなっ!」
トド松は、狂ってる。
まぁ、当然か。
魔界に堕ちたのなら、嫌でも狂うさ。
あぁ…俺…浮いてる…?
いや、鎌で投げ飛ばされたのか。
赤い薔薇…いや、俺の血か。
さっすが悪魔の血。吸血鬼に売ったらいい値で売れそうな位、いい匂いがする。
鼻を擽る、少し甘い匂い。
ドサッ
おぉ…身体中血だらけ。でも痛くない。痛くないけど、身体が動かない。
お腹…穴、空いてる?お腹から血の匂いがするんだよねぇ…
やべぇ、これ死ぬかも。
まぁ、また一松がキス、してくれるよな?
一松がいたら、俺他に何にもいらねぇから。
実は俺、これでも案外、一松に救われたんだよ?
まぁ、このままトド松と戦っても、絶対どっちかが死ぬし、ここは一松連れて退散するか。
「よいしょっと…」
身体を勢いで起こした。あ、もしかして投げ飛ばされた時、骨いっちゃった?
まぁいいか。
「悪いトド松、今日はもう帰るわ。」