【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第7章 最初で最後の、贈り物
「でも兄さんも丸くなったねぇ?人間なんか庇っちゃってさ。」
「トド松は悪い奴になったなぁ?天界ではすげぇ素直ないい子だったのに。」
「へへ…兄さん、やっぱり僕のこと覚えててくれたんだぁ?嬉しいな。でもね、兄さん………
二人まとめて、死んで貰うよ?」
ニコリと笑いながら大きな鎌を僕目掛けて走らせるトド松さん。
「ひっ……」
目を瞑り、死を覚悟した。
僕の力じゃ何も出来ないし、おそ松はあんな傷だ。
死──────
ガキン!
「だから…一松を傷つけるなって……」
「えっ…?」
なんと、おそ松がトド松さんの鎌を素手で受け止めたのだ。
「なんで…悪魔は死神より弱いはずなのに…」
「何?兄貴に勝てると思った?」
余裕そうな表情を浮かべるも、鎌のせいでおそ松の右手は真っ赤だ。
大丈夫なのだろうか。
「ッ…!うるさいっ!僕はお前なんかの弟じゃないっ!!僕のことを知らない振りをしたクセに今更兄貴ぶんなっ!?」
「─────────おそ松ッ!!?」