【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第7章 最初で最後の、贈り物
喉の奥がきゅってしてる。すこし痛い。
そうか、泣いてるんだ、僕。
人前で泣くなんて、カッコ悪いったらありゃしない。
でも…
「…すいません神父、でも俺…おそ松のことがっ……!」
「一松っ…!そいつは、人の心につけこむ悪魔だ!ヤツの言うことを聞いてはいけない…!」
「なに?一松、カラ松神父のことを信じるの?ひとりぼっちで寂しかったよね?なのに神父は一松のことをなーんにも考えずに自分が良い人間に見える為だけに動いてんだよ?そんなヤツの言うことも信じちゃダメだよねぇ?」
これでは全く決着がつかない。どちらが嘘でどちらが本当。
自分をここまで育ててくれた神父と、孤独を優しく埋めてくれた悪魔。どちらを信じれば良いのだろう。
「神父…………」
「一松……」
「ごめんなさい。」
僕は、おそ松無しでは生きられない。