第35章 お料理教室
「一度には無理だから、冷蔵庫で冷やしながら形、整えようか」
真剣な顔つきの緑間を見て、くすりと笑う桜。
生地を冷蔵庫に入れ、時折形を整える緑間。
その傍らでお茶を煎れる桜。
「ホワイトデーのクッキーって、友達でいようって意味らしいよ」
その言葉に、少し目を見開く緑間。
「今日はただの練習だから」
苦笑いをしながら、マグカップを手渡す。
「マシュマロなんて、あなたが嫌い、らしいよ」
笑いをこらえてカップに口をつける桜。
「何気にお返しをしたら恐ろしいことになるな」
「あはは、確かに」
緑間は、ようやく生地に納得がいったと笑みを見せる。