第34章 舞い降りた天使と九人の騎士
「赤司は頭脳戦なら負け知らずだろう」
「まあね」
緑間は不満そうに赤司を睨みつける。
「くっそー…負けかよ…」
火神も悔しそうに呟く。
「火神君も、ほっぺにちゅー狙ってたんですか?」
「ちっげーよ!勝負に負けたってのが悔しいんだよ!」
真顔の黒子に怒鳴りつける火神。
「冗談です」
「ったく…」
火神はため息をついて頭を掻き乱す。
「んー…」
「敦、どうかした?」
カードを睨みつける紫原に、氷室が声をかける。
「まさか、紫原っちも狙ってたッスか?!」
「ちげーし。お菓子食べよーっと」
誤魔化すようにトランプを放り出すと、お菓子に手を伸ばす紫原。
「本心はどっちなんだか…」
氷室は薄く笑うと呟いた。