第5章 クリスマスは大騒ぎ
吹き抜ける風が肌に凍みる12月上旬のある日、桜とリコは、
街にショッピングに来ていた。
「すっかりクリスマス一色だわねー」
「そうですね。イルミネーションもキレイだって評判らしいですよ」
等間隔に立つ並木には、電飾が施されている。
「噂の彼とはもう見たのかしらー?」
リコは、にやにやと笑いながら桜を肘でつついてくる。
「み、見てないですよ。ウインターカップ前で練習が…!」
桜は頬を染めながら両手を振って否定した。
「だったら、俺と見にいかないッスか?」
「え?!」
不意にかけられた声に2人が振り向くと、そこには黄瀬涼太が立っていた。