第34章 舞い降りた天使と九人の騎士
「いつもながら大変ですね、緑間君」
黒子が傍らで眠そうに瞼を擦る。
「おはよう黒子君。眠そうだね」
「…はい。桜さんと旅行だと思ったら寝付けなくて」
薄っすらと笑顔を浮かべる黒子。
「私も。海の時と一緒だね」
桜も黒子に笑いかける。
「確かに。こいつと温泉旅行ったら興奮するよなー」
大きな欠伸をしながら青峰が桜の顔を覗き込む。
「えーっと…スノボ旅行だよ…」
「青峰もだが、なぜこいつまでここにいるのだよ」
そう言った緑間の視線の先には、眠そうな火神の姿。
「俺は相原に誘われたんだよ」
火神もまた大きな欠伸をする。
「一緒の方が楽しいと思って、声かけたんだよ」
「青峰君には、僕が声をかけました」
笑い合う桜と黒子に、ため息をつく緑間。
「お前一人を巡って、ここまで集まるとはな…」
一同は桜に視線を送り笑顔を見せる。
「とりあえず揃ったところで!出発ッスよー!」
早朝にも関わらず、華々しい面子に辺りがざわついていた。