第33章 雪の魔法
「すでに一度、一緒に風呂に入っただろう?」
耳元で囁かれ、真っ赤になる桜。
「あ、あれは真太郎が強引に…」
顔を隠すように湯船に沈む桜。
「あれは、おしおきの続きなのだよ」
緑間は桜の腰に腕を回すと、そっと抱き寄せる。
「な、何するの?!」
直接触れる肌の感触に動揺する桜。
「今回もまた、おしおきが必要か?」
不敵に笑うと、桜を膝の上に横向きに座らせる。
「恥ずかしいってば」
腕を回され逃げ場のない桜は、緑間に抱きついて隠そうとする。
「冗談なのだよ。赤司と話せるようになってよかったな」
「…うん」
桜は腕の中で、小さくうなずく。
「次からは、おしおきの対象にするのだよ」
不満そうに桜の顔を覗き込む緑間。
そんな緑間を見て、桜はくすりと笑う。
「はーい」
子供のように無邪気に笑うと、桜は緑間の唇にそっと触れた。
~終わり~