第4章 おうちデート
買い物を済ませ、桜の家に着いた緑間は呆然とした。
桜はマンションで1人暮らしをしていたのだ。
「か、帰るのだよ…」
「え?!突然どうしたの?」
玄関先で、ふいに出て行こうとする緑間の行動に慌てて、
手首をつかんで引き止めた。
「ひ、1人暮らしだと知っていたら来なかったのだよ」
その言葉の意味が分からなかったが、すぐに桜はクスクスと笑い出した。
「緑間君、考えすぎだよ…」
笑いをこらえる桜。
「お前は…意味…分かって言っているのか?!」
依然、真面目な緑間。
そんな緑間を少しからかおうかと思った桜だが、
笑いを抑えて、ふと笑顔を見せた。
「緑間君になら、いいよ」
「な…!」
「ほら、それより今日はご飯ご馳走するために来てもらったんだから、
上がって上がって」
掴んでいた緑間の手首をぐいっと引っ張ると玄関を閉めた。