第32章 雪をも解かす真冬の華よ、いつか僕に手折らせて

それを取りに行った火神にボールを手渡したのは黄瀬だった。
「あんた誰？何かにすがってバスケするようなヘタレなんて俺は知らねーな」
黄瀬の言葉で己を見つめなおした火神は、次第に冷静さを取り戻し、ついにゾーンに入る。
見切っても止められないとした氷室のミラージュシュートを止め、紫原からもゴールを奪う。
残り三分で四点差まで追い詰めた。
勝利が見えたかと思った瞬間、負けを嫌う紫原が勝ちを取りに来る。
ゴールを奪い奪われの状態で、再び木吉がコートに戻ってきた。
木吉のフェイクで氷室のシュートを止め、ボールを奪い日向がスリーポイントを決め一点差に迫る。