第32章 雪をも解かす真冬の華よ、いつか僕に手折らせて
「君は確か、キセキの世代の…」
緑間に視線を向ける氷室と、睨みつける火神。
「またお前は…」
「ご、ごめんなさい…」
無意識に謝る桜の肩に腕を回す緑間。
「こいつに何か用か?」
三人に視線を巡らせる緑間。
「俺関係ないしー」
平然とお菓子を食べ続ける紫原。
「ふーん…なるほどね」
氷室は緑間に探るような視線を向けると、薄く笑った。
「ったく、くだらねー」
睨み合う二人を見て、吐き捨てる火神。
「な、なんだろ、この状況…」
氷室は決して低くない身長だが、二メートルを超える紫原、それに近い緑間、火神に囲まれ、
困惑する桜。
「本当に高校生…?怖いくらいなんですけど…」
対戦校同士が睨み合う険悪な雰囲気に、生きた心地がしない桜だった。