第1章 文化祭
中に居たのは桜と鞠菜、同じくクラスメイトの男子生徒、西寺洋介だった。
そして、先輩らしき女子生徒2人。
1人は椅子に座り、足に包帯を巻いていた。
「相原さん、よかった、来てくれて」
「洋介君、どうしたの?」
深刻な雰囲気に、思わず顔を強張らせる。
「あなたが相原桜さん?はじめまして、演劇部部長の佐々木 千佳です」
「え、はじめまして・・・」
立っていた方の生徒が口を開いた。
「単刀直入に言いますが、午後の舞台の代役になってもらいたいのです」
「え・・・何で、私が??」
あまりに突拍子の無い申し出に、桜はあ然とする。
「見ての通り、役者が1人怪我をしまして・・・たいしたことはないのですが舞台に立つのは無理かと・・・」
座っていた生徒を見ると、舞台に立てないのが悔しいのか下を向いたきりだった。