第24章 叶わぬ夢を抱いて
「教室でクラスメイトの男の子に声をかけるとか、授業を受けるとか、
当たり前のことが、真太郎とは出来ない…」
手にしていた校内見取り図に視線を落とす桜。
「文化祭だって、みんなで準備したり、帰りが遅くなって一緒に帰ったり…
それだけじゃない…他にもいろいろ…」
「あー…そういうの、俺も分かるなー」
「え?!」
高尾の言葉に、思わず視線を上げる桜。
「授業中に好きな子を見たり、廊下ですれ違ったり、
放課後呼び出されて告白されたり?」
にかっと笑う高尾。
しかし、桜の表情は焦りの色を見せる。