第19章 記憶のカケラ
「…全部、思い出したよ……」
「桜…!」
それを聞いた瞬間、緑間は桜を抱きしめた。
「ごめんね、ごめんね…!」
桜は緑間の背中に腕を回し、肩を震わせ涙を流す。
「大好き、大好きだよ…」
「桜…ずっと、お前に会いたかったのだよ…」
緑間はより一層力を込めて桜を抱きしめる。
「もう、どこにも行くな…」
そう言って腕の力を弱めると、桜の唇をふさいだ。
「これ以上はもう…限界なのだよ…俺だけのものになれ、桜」
緑間の熱い眼差しに、桜は黙って頷いた。
この日初めて、二人は一線を越えた…
~終わり~