第19章 記憶のカケラ
黒子と緑間の二人は、病室を出てロビーのソファーに座っていた。
今までのいきさつを聞いた緑間だが、信じられないという顔をしていた。
「検査結果は問題ないそうです。記憶障害が見られますが、
生活に支障はないみたいなので、2,3日で退院出来るそうです」
黒子から少し離れて座っていた緑間は、無言でうつむいている。
「もしかしたら、緑間君のことは覚えているかも、と思ったのですが…」
緑間に気遣いの言葉をかける黒子。
「きっとすぐに思い出し…」
「黒子…桜は、少し痩せたか…?」
「え?」
黒子の言葉を遮り、緑間が口を開く。