第1章 文化祭
「あー!桜ちゃん!!探したよー!!」
そこに息を切らせて走り寄ってきたのはクラスメイトの藤堂鞠菜だった。
「鞠菜ちゃん、どうかしたの?」
尋常ではない様子に、男4人も鞠菜に視線を移した。
「何度も携帯に電話したんだけど・・・出ないから・・・校内駆け回って・・・」
そう言われて携帯を取り出す桜。何度か着信やメールが入っていた。
「ごめん・・・気づかなくて・・・」
「と、とりあえず一緒に来て!」
そう言うと、有無を言わせず桜の手を引いて走り出した。
「え・・・ちょ、ちょっと?!鞠菜ちゃん?」
4人は顔を見合わせると、2人の後を追いかけることにした。