白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「この分らず屋…!
だから布施さんのコーヒーは
俺が頼まれてるんですってば!
ついでに淹れてあげようという
俺の好意を…アナタって人は…」
「イヤだ!」
『あぁ、もう!
二人とも子供ですか!
私が淹れたら
丸くおさまるんでしょ!
行ってきますから
大人しく待ってて下さい!
チーム内での揉め事は
ご法度です!!』
二人の間をわざと通り
給湯室へ飛び込む
『…カップ、そのまま…
仕方ないなぁ…』
クロが片して来た
二人分のカップが
流しに乱雑に置かれてる
片方に残った
口紅を指で拭った様な跡に
クロが女の人と居たことを
思い知らされて
胸が痛くなる
素早く済ませる洗い物
三人分のコーヒーを
準備しながら
溢れそうな涙を
グッと堪えていると
「姫凪ちゃん
大丈夫??」
後ろから及川さんの声
『なにが…ですか?
私は別になにも…』
「…クロちゃんを
訪ねて来た相手の事なんだけど…」