白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
前は笑顔で"機会があれば"なんて
躱してたのに、とか
少しムッとしてしまう自分が
とても自分勝手で
嫌になるのに
「姫凪…ちゃん、これ…」
『コピーですか?』
「あぁ…」
『分かりました』
不機嫌なまま対応して
「…サンキュ」
クロは苦しそうな笑いを
貼り付けてる
昨日及川さんと話して
決意した事の一割も
実現出来てない
頭じゃ分かってる事も
いざクロを前にしたら
身体も心も付いてこないよ
進む背中を
遠くなる声を
『くろ、お…さん!』
「ん?なんですかァ?」
引き止めたくなってしまう
『えっと…研磨くんにヨロシク…』
「ハッ!そんな事
自分で言いなさい~!
お前が研磨の誘い断り過ぎると
拗ねて厄介なんだからなァ
つーか、俺にも誘われろ!
暇人過ぎて寂しいからよ」
普通の笑顔にさえ
高鳴る胸
埋まってない隣に
ホッとしてるなんて
こんな姿を及川さんに見られたら
また呆れられちゃうよね