白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
涙ぐむ私に
溜め息を吐きかけ
「クロちゃんの事は
いい加減忘れなよ
今更どうやって戻るって言うのさ?」
現実をシビアに突き付ける及川さん
『分かってる…』
未練しかないなんて…
言えない
言っちゃダメ
クロに気付かれない様に
隠さなきゃ…。
「分かってないね。
分かってないから
クロちゃんの名前が出るだけで
そんな顔するんだよ
隠せてるつもりなら甘いよ
全然ダメ」
私の心を読んでるみたいに
ズバズバ切り込んで来る及川さんに
言い返す言葉なんか出て来ない
「あの時、俺を選んでくれたから
クロちゃんと別れたと思ったんだど
違うの?
あの時、俺にドキドキしてたでしょ…?
そして今も…
少しの事で浮かれて
ドキドキしてる…違うかい?」
本当になんなのよ
なんでこの人は
いつも私をこんなに揺さぶってくるの?
「クロちゃんへの未練
俺なら断ち切ってあげられる
そう思うよ?
姫凪…俺にしなよ
そうすれば苦しまなくて良いじゃん、ね?」