白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
鉄朗…クロと別れても
私の日常は
それほど変わらない
仕事して
ご飯を食べて
寝て起きて
また仕事して
違うのは全て一人だと言う事
部屋の広さは変わらないのに
寒い気がする
『…ご飯…は
適当でいっか…』
貧相になった冷蔵庫の中身に
溜め息をついて
残り物で晩御飯を済ませるのに
慣れて来た…って
これじゃイカン、デス。
『…女子力低下し過ぎ
明日のお昼はお弁当でも作ろうかな』
重い腰を上げて
近くのスーパーで
買い出しをしてると
「姫凪ちゃん
こんな時間になにしてるのさ」
掛かる声。
それはあまり会いたくない
『…こんばんは。
買い物です』
「それは見たら分かる
なんでこんな時間にって
聞いてるんだけどな、及川さんは」
私の傷口を開く人の声。