白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
俺は俺の不幸に
『…お茶してる場合じゃないじゃん』
「もう、立てない…」
絶望する時間すらねぇのか!
「うわ!ハナちゃん!
座り込むな!
姫凪、悪い
タクシー拾ってくるから
チョット頼む!!」
寄りかかって来そうな
ハナちゃんと鞄を
姫凪に託し
タクシーを捕まえに走る
サッサとタクシーに乗せて
姫凪の誤解を解かねぇと!
やっと捕まえたタクシーを
誘導して
ハナちゃんを乗り込ませ
住所が書かれた紙を
運転手さんに渡す
「…この子一人で
大丈夫ですか?
タクシーの中で寝られると
運転手はお客様に触れられないんで
起こすのが大変なんですけど…」
今にも寝てしまいそうな
ハナちゃんを見て
迷惑そうな顔をする運転手さん
気持ちは分かるけど
一緒に乗り込むわけにはいかない
これ以上誤解されてたまるか
申し訳ないが
少しチップをはずませてもらって
ここは運転手さんに
頑張って貰おう、うん。