白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「布施さん
今日は昼飯に出ないんですよね?
俺もそうなんですよ
片付けときたい仕事があって。
良かったら一緒にどうです?」
『…それは仕事を手伝えと?』
「…マサカ」
『顔に手伝えって書いてますよ?
もちろん大丈夫ですよ
とりあえずお茶いれるんで
昼ごはん終わらせましょう』
…ねぇんだろうな。
姫凪はもうきっと
吹っ切れてるんだろうな
せわしなく鳴る
研磨からの電話に気付き
足早に会社を出る
どれだけ早足で歩いても
現役時代みたいに
全力で走ってみても
「…未練からは
どうやったら逃げ切れるのデショウカ?」
先回りして
俺に襲いかかる未練
「は?意味不明。
つまんない事言ってないで
照明器具のセッティング手伝ってよ
スタッフが風邪で寝込んで
大変なんだから」
「だからって何で俺なんだよ!
木兎に頼め!
アイツ昼間は暇じゃねぇかよ!」
研磨の会社の一室の
ゲーム部屋に声を響かせて
照明器具を乱暴に組み立てる俺