• テキストサイズ

白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第5章 歪みに飲まれる愛


「そうか、良かった」

『イヤじゃない?
その…私が、居ても…』

こんなの聞かない方が
楽なのに

「当たり前ですぅ!
てゆっか姫凪が
居なかったみたいになる方が
辛いっての!
姫凪…
また明日な?
俺が言うなって感じだけど
チャント寝ろよ?
泣くな…よ」

アナタのその言葉を
優しい声を最後の最後まで
求めてしまうなんて
本当に身勝手なんだから。

『鉄朗…クロも、ね?』

咄嗟に言い直した呼び名に
一瞬鉄朗…クロの
目元が涙で光り

『あ、あの…!』

「もうゴメンは要りません~!
変わんねぇよ
明日も明後日も
俺は笑ってる
お前が笑うなら
笑ってる
だから…謝んな
お前は悪くない

…またな。
また明日…会おう、な?」

ユックリ背中が遠ざかる
笑えなくても
笑わなきゃ

自分で決めた事だ

泣いてる暇なんかない

クロの涙が
もう私の為なんかに
流れない様に

笑わなきゃ。

ゴシゴシと乱暴に擦った目元は
次の日酷く腫れて
重い足取りを
更に重くしたけど
私は歩いた

新しい日常を
営む為に。



黒尾鉄朗 END→次頁へ

及川徹 END→1095頁へ
/ 1242ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp