白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
『来てくれたのに、すいません
今日は…本当に…』
鉄朗を拒否したつもりはないけど
鉄朗にはそう伝わらなかったみたいで
「姫凪…」
悲しそうに私を見つめてる
違うよ、鉄朗?
私はアナタを拒否してるんじゃない
だから
「そっか、じゃあしゃあねぇ
…って帰れる程
今日は余裕ねぇんだよ
悪いな、姫凪
お前を一人にしたくない
てゆっか…俺が
お前の側に居たい」
そんな悲しそうに
笑わないで…
「押しかけて悪かった
二人は意地でも帰す。
だから俺まで拒否んなよ、姫凪」
『鉄朗…』
私はチャント話したい
話さなきゃ駄目なの
「ゴメン…な」
アナタが謝らないで
鉄朗はちっとも悪くなんかないんだから
鉄朗の表情に胸が詰まって
切なさが喉を塞ぐ
そんな私に気付いたのか
「…木兎さん、俺らは帰りましょうか
飲ませて和む空気ではないみたいです
そうですよね?布施さん」
赤葦さんが私より先に口を開く