白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
「まぁ介抱、つっても
やる事ねぇけどな
ツバでも付けてもらえ」
って!待って!
介抱なんて要らない!
ツバとか嫌でしかない!
むしろ、今すぐ私も連れて出て!!
「…え!?行くの?岩ちゃん!」
「邪魔すんなって顔してたくせに
飯作れねぇから
適当に食っとけ
あ、オンナがいりゃなんとかなるか
じゃあな」
だから待ってよ!
置いていかないで!!
追いかけ様とした途端
ドアが閉まり
部屋には及川さんと二人切り
「…手当て…」
『要りません
帰ります』
一秒たりとも此処に居ては
イケナイ。
即座に応えた私に対して
「…ですよね~」
及川さんも食い下がる事はなくて
このままこの時間は
終わると思ってた
でも、それを
「…クロちゃんだ」
神様は許さない
及川さんがディスプレイを見て
呟いた名前に
身体が強張る
なんで鉄朗が及川さんに電話を?
まさか、私がここに居る事を
知ってて来たのかな…
どうしよう…!
軽率過ぎて呆れられてしまうかも…