白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
何が間違いだったのか…。
怪我や傷に無知で弱い自分を
これほど呪った事はない
幸せイッパイに鉄朗を見送った朝
いつもなら
薄暗い資料室に
こもってる時間に
広い部屋でコーヒーなんか飲んでるとか
『…暇…だなー…
サボってる感が半端ないんだけど…』
別に悪い事してるわけじゃないのに
罪悪感。
せめて部屋の掃除や
美味しいご飯の支度でもと思って
動き出すものの
『…や、ば…!やっちゃった…』
朝から愛し合った身体は
言う事を聞いてくれず
お揃いで買った
ネコをモチーフにしたマグカップが
床に落ちて割れてしまった
取れてしまった取手
欠けてしまった耳の部分は
修復出来そうにないし
豪華な晩御飯を
作る材料も冷蔵庫には
残って居ない…と、なると
『…気に入ってたのにな
まだあるかな…買いに出ようかなー』
必然的に外出する事になるよね
一人でお出かけとか
久しぶりだし
少しテンション上がる…かも。