白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
「クロちゃん久しぶり…って
事もないのかな
内見の時とか
チラチラあってたもんね」
「そうだな。
で?おのぼりさんは
迷子さん?
ランチでも行きますかァ?」
相変わらず
飄々としたクロちゃんの隣を
さり気なくチェックする
「ランチ?良いね
てゆっか、クロちゃん珍しく
寂しいじゃん、一人とか」
隣を気にする俺に気付いたのか
「残念でしたァ
姫凪は今日休みなんですぅ
無理矢理にでも休ませなきゃ
最近、根詰め過ぎてヤバかったんでね」
期待をアッサリ
ドシャットしてくるクロちゃん
なんだ。
会えないのか…。
「ハハッ、姫凪ちゃんらしいね」
落胆を悟らせないように笑い
「及川さん
今日は和食食べたいな
どっか案内してよ」
「おう、蕎麦でも食うか」
「いーね」
クロちゃんの後に続き
香りの良い蕎麦をお腹に落とし
仲良く会社へ向かう
歓迎される中
お土産を渡し挨拶を済ませるけど
ヤッパリ物足りないな
特別に買ったお土産が
袋の中に一つだけ残ってるせいかな