白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
「私を振った痛みに
徹が苦しむ顔見れたから
もう、いいよ
辛さを一緒に背負ってくれて
ありがとう…」
俺の頬に手を伸ばし
「…その子に振られても
連絡して来ないでね?
もう…連絡しないで」
パチンと優しく叩いて
「サヨナラ」
小さな背中を向けて
部屋から出て行く
魂も力も抜けて
またベットに寝転がって
「バカみたいだよね
振られる可能性のが高いのに
なーに別れてんだよ…」
自虐的な笑いを零す
今日だけは泣こうか
そう思って閉じた目が
「本当だな
変な所クソ真面目で
ウゼェなオマエ」
「岩ちゃん!?
いつから居たのさ!!」
涙を奥に押し戻す勢いで開かれた
「バカみたいだよね~、辺りからだな
ナナが泣きながら出て行ったから
気になって来たら
オマエが泣いててオモロイから
黙って見てた」
「質悪い!
てゆっか、泣いてないし!」
「おう、泣くな
ナナのが辛ぇんだよ
自分勝手に振ったオマエが泣くんじゃねぇよ
とりあえず…」