白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
的中率ヤバすぎな
研磨に少しゾッとしながらも
聞こえる声が可愛くて
「ご機嫌ナナメ直しに行って
良いですかァ?
今日は姫凪が帰らなくていい様に
俺がそっち行くからさ」
甘く囁くセリフに
一瞬の沈黙
「嫌って言っても
もう逢いたさマックスだから
行きマス!!
鍵掛けてもこじ開けて
入るからなーー!
待ってろ!」
慌てて押し切り
通話を切り
「俺行くわ!
赤葦と木兎にヨロシク!」
パソコンに向かったまんまの
研磨に叫ぶ
「はいはい。
姫凪に無茶させない様にね
なんでこんな回り道したか
忘れないように…って…
聞いてないし…」
玄関先に着く頃には
聞こえなくなった声を無視して
俺は走った
姫凪の部屋へ
俺が俺らしく居れば
姫凪を真っ直ぐ信じてたら
素直に愛してたら
全部上手く行くと思ってたんだ
俺達を取り巻く世界は
もう、そんな単純じゃなかったのに。