白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
『手伝うって
何するんですか?』
怪訝な顔をして
俺を見上げる姫凪ちゃんの
「それはお楽しみ!
とりあえず今日の晩飯は付き合ってよ
二人切りじゃない事は
約束するからさ!」
指をからめとって
大きく振る
『ちょっと、そんな勝手な…』
「ちょっと強引くらいが
キミには丁度いいんじゃない?
大丈夫、及川さんに任せなさーい!」
遠くで聞こえる反論を
スルーして給湯室を出ると
「…仲がよろしいようで~」
不機嫌な顔したクロちゃんと
鉢合わせた
「そうかい?
振られまくってるだけだよ
今日も結局二人きりには
なれそうにないしねー」
「…へぇ、そうかよ」
「興味ないなら聞かないで欲しいね!
これでも傷は浅くないんだから!
…って、傷口ガッツリのクロちゃんに
言うことじゃなかったね、ごめん」
噛み付いてから
少し後悔する
俺のせいで二人は別れて
今でも未練たらたらだけど
わざとらしく
平気なフリしてるのを
一番知ってるくせに、って。