第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

「行っちゃったね、クロちゃん
で？俺らはどこを
探すのさ？
言っとくけど
俺こっちに土地勘ないよ？」

クロちゃんを見送って
孤爪チャンを振り返ると
黙ったまま何かを考えてる

「孤爪チャン？」

「…あのさ、及川サン
多分クロの予想は当たってるから
おれらは探すより
他の対策を立てるべきだと思うんだよね」

「他の対策？」

「うん。
あぁ見えて姫凪は
頑固だし
一回拗れると
素直になれなくて
厄介なんだよね
クロも余裕なくなると
周り見えなくなるし」

結んだ髪の毛を解いて
手櫛でとかながら

「だからこっちで
上手く行くように動こうと思うんだけど…」

また少し考え込む

不器用な男と
意地っ張り女ね
その二人に今の状況は
面倒くさい事は間違いない

俺も原因の一端だと思うと
申し訳ない気持ちになるけど
名案が浮かぶわけでもないから
孤爪チャンの計画に乗るしかない