第32章 31 Melody.〜天side〜
今日の衣装は白のワイシャツに黒のパンツ。
シャツのボタンは3個ほど開けてくださいとの指示だ。
肌を露出して色気を出していく方向なんだろうが……これはTRIGGERでもよくやる格好である。
「さっ、行くわよ」
「はい」
それはいいとして……は一体どんな衣装だろうか。
セクシー系の服を身に纏っている姿は今まで見た事がない。
衣装に着られる……なんて事になっていないといいが。
「マネージャー……私おかしくないですかっ……」
「何言ってるんです。首回りが開いているだけでしょう」
「にしてはザックリいきすぎてませんか?!」
「大丈夫です!あなたは綺麗なんですから自信持って!!」
「でもっ……」
「初めからそんな調子じゃ、今日はやめた方がいいんじゃない?」
「?!てっ……く、九条さん……!」
撮影するスタジオ内に入ると、と彼女のマネージャーが何やら話をしているのが見えた。
しかしボクが話しかけた瞬間、はマネージャーの後ろに隠れてしまう。
一瞬だったからよく見えなかったけど……襟元が大きく開いた服を着ていたような気がする。
「さん!何してるんですか!」
「お願いですっ……少しだけでいいのでこのままでいてくださいっ……」
「ダメです!早く出てきて……!」